「生成AI研修を導入したいが、コストが課題で踏み出せない」——そう感じている人事・教育担当者は少なくないはずです。実は、生成AI研修やDX研修の費用を最大75%まで国が補助してくれる制度が2026年度も継続されています。しかも、この制度は2026年度が最終年度。使えるのは今年だけです。本記事では、「人材開発支援助成金(事業展開等リスキリング支援コース)」の概要と申請のポイントを、人事・研修担当者向けにわかりやすく解説します。
「事業展開等リスキリング支援コース」とは——AI研修に使える国の助成制度
人材開発支援助成金(事業展開等リスキリング支援コース)は、新規事業展開・DX・グリーン化を推進する企業が社員に対して新分野のスキル習得研修を実施した場合に、経費と賃金の一部を助成する制度です。厚生労働省が運営し、中小企業リスキリング支援事業(厚生労働省)からも申請サポートを受けられます。
2026年4月8日に制度改正が行われ、生成AI研修やDX研修がより活用しやすくなりました。令和8年4月8日改正対応版の解説(0120.co.jp)によると、主な助成内容は以下の通りです。
- 経費助成率:中小企業 最大75%、大企業 最大60%
- 賃金助成:訓練中の賃金の一部として 1,000円/時間
- eラーニング・通信制の経費上限:1人1訓練あたり 15万円(中小企業)
- 年度上限:1億円
重要:事業展開等リスキリング支援コースは2026年度が最終年度です(株式会社壱市コンサルティング、2026年5月26日)。今年度を逃すと本制度を利用できなくなります。
なぜ今、AI研修への助成金活用が重要なのか
2026年現在、企業へのAI・生成AI導入率は7割を超える水準に達しています。一方で、社員のAIリテラシー教育が追いつかず、「AIを導入しても使いこなせない」「現場での活用が定着しない」という課題が続出しています。「生成AI時代のスキル習得に課題感がある」と回答した企業は約7割にのぼるという調査結果も報告されています。
AI研修には一定のコストがかかります。外部研修やeラーニング費用が導入の障壁になり、とくに中小企業では「やりたいけど予算が足りない」という声が多く聞かれます。助成金を活用すれば、100万円の研修費用が実質25万円になる計算です。コストのハードルを大幅に下げながら、社員のAI活用スキルを底上げできます。
さらに、人的資本開示の機運が高まるなか、「従業員の学習・成長機会への投資」を対外的に示す必要性も増しています。AI研修の実施実績は、人的資本レポートの有力なエビデンスとしても活用できます。
人事・研修担当者が今すぐできること
-
訓練開始1ヶ月前に「訓練実施計画届」を提出する
本助成金の最重要ルールは「訓練開始の1ヶ月前必着」という申請期限です(株式会社Uravation 2026年AI研修助成金完全ガイド)。1日でも遅れると全額不支給となります。研修スケジュールを先に確定し、逆算してハローワーク経由で提出することが大前提です。
-
「新規事業展開・DX推進」との関連性を事業計画書に明記する
本コースの対象は「新たな分野で必要となる知識・技能の習得」です。AI研修を実施する際は、「DX推進のためのスキル習得」という位置づけを事業計画書に明記しておくことが、採択のための重要ポイントになります。研修内容と自社のDX戦略の関連性を、具体的かつ明確に記述しましょう。
-
eラーニング形式を活用してコストと申請手間を最小化する
集合研修よりもeラーニング・通信制のほうが場所・時間を問わず実施しやすく、申請・管理の手間も比較的小さい特徴があります(gerbera partners、主な変更点解説)。1人あたり上限15万円の助成を最大限に活用しながら、複数のプログラムを組み合わせる設計も有効です。
-
社会保険労務士など助成金専門家と連携する
申請書類は複数あり、記載漏れや申請順序のミスで不受理になるケースも少なくありません。社会保険労務士など助成金の専門家に相談することで、書類ミスを防ぎ、確実に助成を受けられる体制を整えましょう。初めて申請する企業は特に、専門家のサポートを積極的に活用することをおすすめします。
-
2026年9月までに研修計画を確定させる
繰り返しになりますが、本コースは2026年度が最終年度です。年度末に向けてハローワークの窓口が混み合う可能性もあります。遅くとも2026年9月中に研修計画を確定させ、10月開始を目標に動き出すことを強くおすすめします。
AI研修教材・プログラム選びのチェックポイント
- 助成金対象の「OFF-JT」形式(業務から切り離した訓練)に該当するか確認する
- 受講実績の記録(出欠・修了証)が取得できる形式であるか確認する
- 自社のAIリテラシーレベルに合わせた難易度設計になっているか確認する
- 知識インプットだけでなく、実務直結のワーク・演習が含まれているか確認する
- 社員の階層別(一般社員・管理職・経営層)にカスタマイズできるか確認する
研修教材を選ぶ際は、助成金の要件を満たしているかどうかを必ず事前に確認することが大切です。エム・アドヴァイスでは、DXリテラシーからAI活用スキルまで、階層別に対応した研修プログラムを提供しています。研修教材の詳細はこちらのショップページをご確認ください。
まとめ
- 「人材開発支援助成金(リスキリング支援コース)」でAI研修費用を最大75%補助——2026年度が最終年度
- 申請の最重要ポイントは「訓練開始1ヶ月前」の計画届提出——スケジュールの早期確定が成否を左右する
- eラーニング形式を活用すると、コストも申請手間も抑えられる(1人あたり上限15万円)
- AI研修の実施実績は人的資本開示のエビデンスとしても活用できる
- 「いつかやろう」では間に合わない——今すぐ動き出すことが最大のコスト削減策
2026年度の制度終了前に、AI研修計画の立案と助成金申請の準備を今すぐ始めましょう。
