「うちのチームはなぜやる気がないんだろう」——新任リーダーなら一度はそう感じたことがあるはずです。
部下に指示を出しても反応が薄い。会議で発言が少ない。成果が出ているのに、どこか表情が暗い。「もっとやる気を持って仕事に向き合ってほしい」と感じながら、どう働きかければいいかわからない——これは、多くのリーダーが抱える共通の課題です。
しかし、立ち止まって考えてみてください。「やる気がない」のは本当にメンバーの問題なのでしょうか。
日本のエンゲージメントは世界最低水準——それでも「伸びしろ」と捉えられるか
ギャラップ社が毎年実施する「State of the Global Workplace」調査によると、日本で「エンゲージメントが高い」と答えた従業員の割合はわずか6%(2024年版)。世界平均の23%と比べても、突出して低い数字です。
この結果をどう読みますか?「日本の職場はダメだ」という話ではありません。ポイントは、残りの94%が「潜在的なエンゲージメント」を持っているかもしれないという事実です。
同じギャラップ社の調査が示すもう一つの重要なデータがあります。「エンゲージメントの差の約70%は、直属の上司で説明できる」というものです。つまり、リーダーの関わり方次第で、チームのエンゲージメントは大きく変わり得る——これが、私たちが研修マニュアル「エンゲージメント向上のマネジメント」を開発した根拠です。
エンゲージメントは「満足度」ではない
研修の中でまず整理するのが、エンゲージメントと満足度の違いです。「給料も良いし、職場環境にも不満はない。でも、なぜか仕事に熱が入らない」というメンバーは珍しくありません。これは、満足度は高くてもエンゲージメントが低い状態です。
エンゲージメントとは、「仕事や組織に対して自発的に貢献したい」という能動的な状態のことです。「言われたからやる」ではなく「意味があるからやる」——この違いがチームのパフォーマンスに直結します。
では、何がエンゲージメントを高めるのでしょうか。本プログラムでは、研究と現場知見をもとに「3つのドライバー(推進力)」として整理しています。
エンゲージメントを高める3つのドライバー
ドライバー1:仕事の意味(Meaning)
「この仕事は誰の役に立っているのか」「なぜ自分がこれをやるのか」を実感できているかどうか。特にZ世代のメンバーは、”Why”(なぜ)を重視する傾向があります。「資料をまとめておいて」ではなく、「この資料は来月の経営会議で意思決定に使われます。あなたの分析力が活きます」と伝えるだけで、仕事への向き合い方は大きく変わります。
ドライバー2:成長実感(Growth)
「この仕事を通じて自分は成長している」という手ごたえがモチベーションの源泉になります。フロー理論(ミハイ・チクセントミハイ)でいう「少し背伸びが必要な難易度」の仕事を任せ、こまめにフィードバックを届ける。半年に1回の評価面談ではなく、週単位・日単位で「成長を見ているよ」というシグナルを送ることが重要です。
ドライバー3:人間関係(Connection)
「このチームに受け入れられている」「信頼できる仲間がいる」という帰属意識。ハイブリッドワーク環境では、この”つながり”が特に希薄になりやすい。リモート環境でも「チームの一員だ」と感じられる仕掛けを、リーダーが意図的に設計する必要があります。
1on1ミーティングはエンゲージメント向上の最強ツール
研修の中でも特に受講者の反響が大きいのが、1on1ミーティングの活用です。多くのリーダーが「1on1ミーティングは業務確認の場」と捉えているのですが、エンゲージメントを高める視点で設計すると、まったく異なる対話が生まれます。
「最近の仕事で、やりがいを感じていることは何ですか?」(意味)
「この1ヶ月で、自分が成長したと感じることはありますか?」(成長)
「チームの中で、自分の居場所があると感じていますか?」(つながり)
この3つのテーマを1on1ミーティングに組み込むだけで、メンバーが「見てもらっている」と感じる瞬間を定期的に生み出すことができます。
承認は「最もシンプルで最も強力な施策」
研修の最後に、受講者に必ず伝えることがあります。
「エンゲージメント向上に魔法の杖はありません。しかし、最もシンプルで最も強力な施策があります。それは、具体的な承認の言葉を日常化することです」
「先週の報告書、冒頭の問題提起が特によかった。読み手が引き込まれる構成でした」——こんな一言で、メンバーのエンゲージメントは確実に変わり始めます。
本研修マニュアル「エンゲージメント向上のマネジメント」は、研修時間3時間・スライド30枚で構成されています。ギャラップQ12をもとにしたサーベイ読み解きワーク、架空のチームを使ったケーススタディ、1on1設計シートなど、実践型の演習を多数収録しています。
人事・教育担当者の方、社内研修講師の方に、ぜひ手に取っていただきたい一冊です。
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