AIエージェント研修が急増中|「生成AIを使う」から「AIを作る」人材育成への転換

「ChatGPTの基礎研修はやった。でも、次に何をすればいいのか分からない」——生成AI研修の第1フェーズを終えた企業から、こうした声が増えています。2026年に入り、研修市場で急速に存在感を高めているのが「AIエージェント研修」です。生成AIに質問して回答を得る段階から、業務を自律的に実行するAIエージェントを社員自身がノーコードで構築する段階へ。本記事では、最新の研修プログラム事例と、人事・研修担当者が押さえるべき設計ポイントを解説します。

「生成AIを使う研修」の次——なぜ今AIエージェント研修なのか

生成AI活用の3段階(使う→活かす→作る)を示すステップ図

2025年は「AIエージェント元年」と言われ、AIが単なる対話ツールから自律的にタスクを実行するエージェントへと進化しました。2026年に入り、この流れが企業研修の現場にも本格的に波及しています。

経営デジタルの2026年最新レポートでは、AIエージェント研修の特徴を「単なるAI活用から一歩進んだ『自律実行型AI』の構築スキルを学ぶ研修」と定義しています。従来の生成AI研修が「AIに質問する力(プロンプトエンジニアリング)」を鍛えるものだったのに対し、AIエージェント研修は「自分の業務を自動化するAIを自分で作る力」を育成します。

背景には3つの変化があります。第一に、ノーコードツールの成熟——Dify(GitHub Star 10万超)やCopilot Studioなど、プログラミング不要でAIエージェントを構築できるツールが実用段階に入りました。第二に、業務特化の必要性——汎用AIチャットでは対応しきれない社内固有の業務プロセスを自動化するには、現場を知る社員自身がAIを設計する必要があります。第三に、導入成果の実証——製造現場で月40時間の工数削減、市場調査が1時間から数分に短縮されるなど、具体的なROIが報告され始めています。

2026年の注目AIエージェント研修プログラム——最新事例3選

2026年に入り、大手研修会社が相次いでAIエージェント研修を新設しています。代表的な3つのプログラムを紹介します。

パーソルビジネスプロセスデザイン「AIエージェントを作れる人材育成研修」
日本経済新聞(2026年1月28日)によれば、パーソルビジネスプロセスデザインは自律型AIエージェントを業務で活用できる人材の育成研修を開始し、今後3年で5,000人規模の受講を目指しています。研修期間は約8週間の伴走型で、座学・ハンズオン・1on1を組み合わせ、受講者のレベルやテーマに応じてAIの専門家が指導。「現場メンバーが自分の手でAIエージェントを作成できるところまで伴走する」のが特徴です。

インソース「AIエージェントを活用した業務改善研修~Difyでワークフローを作成する」
インソースのDify研修は半日間のハンズオン形式で、ノーコードツール「Dify」を使い、社内マニュアルや規定資料をもとに問い合わせ対応ができるAIエージェントを実際に構築します。Copilot Studioを使った1日間の上位研修も用意されており、段階的なスキルアップが可能です。

トレノケート「さわってわかるAIエージェント入門」
トレノケートの入門研修(2026年3月開講)は、「AIチャットツールを使う人」から「簡単なAIエージェントを作れる人」への転換を1日で実現するプログラムです。AIチャットボット→AIエージェント→AIワークフローと段階的に進み、IT・AI未経験者でも業務改善につながるAIエージェントを構築できます。

3社に共通するのは、「ノーコード」「ハンズオン」「現場の業務課題を教材にする」という設計思想です。技術者だけでなく、営業・経理・人事など非エンジニア部門の社員を主な対象としている点も、従来のAI研修との大きな違いです。

人事・研修担当者がAIエージェント研修を導入する4つのステップ

  1. 「生成AI活用度」の現在地を把握する

    まず社内の生成AI活用レベルを3段階で評価しましょう。レベル1: まだ使っていない(→まず基礎のChatGPT研修から)、レベル2: チャットで質問している(→AIエージェント研修の適期)、レベル3: 業務プロセスに組み込んでいる(→高度な内製化研修へ)。レベル2の社員が一定数いれば、AIエージェント研修の導入タイミングです。

  2. 「自動化したい業務」を現場からヒアリングする

    AIエージェント研修の最大の特徴は、現場の実際の業務課題を教材にすることです。「毎週の定型レポート作成」「社内規定への問い合わせ対応」「顧客データの集計」など、繰り返し発生する業務を部門ごとにリストアップし、研修で取り組むテーマを選定しましょう。

  3. 「半日体験→8週間実践」の2段構えで設計する

    いきなり長期プログラムを導入するのではなく、まずインソースやトレノケートの半日〜1日の体験研修で効果を実感してもらい、意欲のある社員をパーソルBPDのような8週間の実践研修に送り込む設計が効果的です。体験→実践の2段構えにすることで、投資対効果を段階的に検証できます。

  4. 成果を「削減時間」で可視化する

    AIエージェント研修のROIは比較的計測しやすいのが特長です。受講者が構築したAIエージェントによる業務時間の削減量を記録し、研修投資との対比で効果を示しましょう。先行事例では、データ集計業務で30分→1分、市場調査で1時間→数分といった成果が報告されています。

AIエージェント研修を選ぶときのチェックポイント

  • ノーコードツール(Dify・Copilot Studio等)を使った実践型か、座学中心かを確認する
  • 非エンジニア(営業・経理・人事等)が受講対象に含まれているか
  • 自社の業務課題をそのまま教材として使えるカスタマイズ性があるか
  • 研修後の内製化支援(フォローアップ・1on1コーチング等)がセットになっているか
  • 助成金(人材開発支援助成金・デジタル化AI導入補助金等)の申請サポートがあるか

AIエージェント時代に対応した研修教材をお探しの方は、マネジメントアドバイスセンターの研修教材ラインナップもご参考ください。

まとめ

  • 2026年、生成AI研修は「使う」から「AIエージェントを作る」フェーズへ移行中
  • パーソルBPD(3年5,000人育成)、インソース(半日Dify研修)、トレノケート(1日入門)など、具体的なプログラムが出揃い始めた
  • 導入のポイントは「ノーコード」「現場の業務を教材化」「半日体験→実践の2段構え

まずは社内の生成AI活用レベルを把握し、AIエージェント研修の導入タイミングを見極めてみてください。

▶ 研修教材の一覧はこちら(マネジメントアドバイスセンター)